生活

面白いことは特にない、ただの日記です(投稿後に、二三日かけて書き直します)

バイクの値段

ホンダから、一台二千二百万円のバイクが売り出されたというニュース。www.asahi.com
誰が言い出して実現したのか分からないが、良くやったなぁと思う。(朝日の見出し、あの名車と言われてぴんと来る人はまずいないと思われる)www.rc213v-s.com

2013年・2014年のMotoGPシーズンにおいて2連覇を達成した競技専用マシン「RC213V」を一般公道での走行を可能としました。(中略)
「RC213V‐S」では、一般公道仕様としてRC213Vから必要最低限の変更と追加を行いました。

とのこと。具体的に何を変更したかも書いてあって、

RC213V-Sのパワーユニットは以上の諸元を全て踏襲しながら、回転数を変更することで公道走行を前提とした出力特性としました。また、高回転まで精度の高いバルブ作動を実現するため、カム駆動システムにはRC213V同様ギアトレインを採用しましたが、バルブを閉じる機構については、公道用車両としてより現実的なメンテナンスで機能維持可能なコイルスプリング式に変更。同様の理由からトランスミッション形式も、RC213Vのシームレストランスミッションからコンベンショナルな方式に変更しました。

公道で走るためにやむを得ずということか。
それ以外に、エンジンコントロールのためのコンピューター、マフラー、エンジンキー、スピードメーター、ウインカー、ホーン、容量の大きなバッテリー、セルスターターなど、レーシングマシンと違うところはいくつかあるが、多くは「スポーツキット」を組み込んで変更可能のようだ。但し、スポーツキットを組み込むと公道を走れなくなる。で、キットを組み込む前の公道仕様では、999ccの90°V4エンジンから70馬力(51kW)だそうな。車重は188キロ。
今までもホンダでずっと売られている同じ排気量の市販車(CBR1000RR)ではどうかというと、

CBR1000RR/SP
999CC, weight 211kg, 123PS (91kW) at 9500rpm, 2,030,000yen
CBR1000RR/SP (UK)
999cc, 210kg, 133kW(180PS)/12,250rpm, £15 799
VFR1200F
1236cc, 268kg, 82KW [111PS]/7,500rpm, 1,620,000yen
VFR1200F (UK)
1236cc, 267kg, 127 kW (171PS)/10,000 rpm, £12 999

ついでに、ヨーロッパで売られている同じ車の馬力、ついでのついでに、私が乗っているVFR1200のデータも並べておいた。
バイクのエンジンパワーは、取りあえずリッター当たり100馬力以上が普通。すごいバイクは(例えばCBR1000RRのUKではリッター当たり180馬力ということだ。これが、ざっと10倍以上のお値段のRC213VSで70馬力であるので、スペック的にはかなりびっくりさせられる。(ほど低い)
スポーツキットを組み込むと、車重が177kg、エンジンパワーは158kw[215PS]/13000rpm 以上とのことである。*1
私はこのバイクをもちろん買わないし、買えないが、もし手に入れたら70馬力のまま通勤に使うだろう。シュールと思う。
250台が売り出されるそうだが、これを買うからにはスポーツキットを組み込むことになるだろう。組み込んだ人は、もう公道を走ることは出来ないから、何に使うかというと、レースに出るか、博物館に飾るかのどちらかだ。その2つの用途であれば、2200万円の投資額は決して高くは無い。(通勤バイクとして使うなら、余りに高すぎる)
多分、このバイクの値段はプライスレスで、どこまでを開発コストと捉えるかによるが、2200万円はバイクの価値を知る人にはただ同然の値段と言って良い。
モトGPのワークスマシンのレプリカ(本当の意味でのレプリカ)を手に入れることが出来るチャンスなどそうは無い。しかもそれを公道が走れるようにメーカーが改造してくれている。
誰のアイディアでこんな馬鹿なことが実現したのか。これからバイクは、そしてホンダRDはいったいどうなっていくのか。
不安に感じる。

*1:これを他社製の公道向け市販車とくらべると、S 1000 RR (BMW 日本向け仕様)で146kW(199PS)/13,500rpm, 204kg; YZF-R1 (yamaha Canada向け)199kgで出力はNA,,,, (探してみて気がついたんだが、日本国内4社でスーパースポーツを国内向けにラインアップしているのは唯一ホンダだけ。(CBR1000RRとCRR600RR)もう日本のバイクはダメかも知らんね。