生活

面白いことは特にない、ただの日記です(投稿後に、二三日かけて書き直します)

労災

金曜日はいつも通り、神戸の山奥にある工場の保健室に向かう。仕事は、工場で働く労働者の健康維持増進などを担当している。
そのような仕事をしているので、私は労災ネタには敏感である。
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お休みしていた労働者の復帰に関する相談を受けた。
その後に、産業衛生の向上について話し合う会議に出席してコメントした。
ここでは、KYは空気嫁でななく、危険予知である。
気温は低めだったが、交通の便のこともあり、バイクを利用した。
バイクで職場に戻ル途中、次々と私の前方に障害物のような何かがお出ましになる。試されている気分だ。運が悪いのか、それとも私の判断が甘いのか。
慌てずゆっくり走る決意のもと、無事に職場に到着した。
学生さんたちが、論文を読んでいた。私が入らない方が捗るようだ。
遅くまで掛かった学生の実験にお付き合いして、私も帰りが少々遅くなった。職場からの帰り道はわりとスムーズなライディングだった。
夕食の後で走るつもりで帰宅すると、珍しく息子が玄関まで出迎えてくれた。
大事件が2つあると言う。
「お母さんが捻挫した」それがひとつ目。もう一つは?
おそるおそる尋ねると「贔屓のスケート選手が世界選手権に出場する」という。そちらは私には関係ない。
お母さんは今どこに居るのか尋ねると、ナントカ病院だという。覚えていないのだ。要領を得ない。職場で怪我をして一旦帰宅したらしい。取りあえず、妻宛にメッセージを送ってみた。連絡が無いのは、連絡できない状況ということか。息子が言うには、どこの病院に行ったのかは「聞いたが忘れた」とのこと。大変重要なことだから、メモを取るべきだったと、助言した。
捻挫というと、大抵は踝であろう。運が悪ければ骨が折れているかもしれない。大変ありふれた怪我である。
暫くして、今自宅に向かっているというメッセージが戻ってきて、やがて車が家の前に止まった。工場長の運転で、病院に連れて行ってもらったのだ。妻が足を引きずりながら降りてきた。
骨右足の甲の骨が折れているとのことであった。ギプスはしていない。サポーターを巻いているだけである。
ということで、いろいろとあった予定をキャンセルした。走りに行くのも止めた。
夕食は妻が仕事に行く前にニンジン無しのカレーを用意していたのでそれを皆で食べた。妻は松葉杖を借りてきたが、狭い我が家では松葉杖が役に立つシーンは余り無い。
痛みは鎮痛剤と湿布で我慢できるレベルのようだ。ただ、やはり身体を移動させる動作が困難である。著しく行動が制限される。
明日からのいろいろな予定を組み直さなくては鳴らない。明日は、息子の高校に行って、書類の提出、制服の採寸や教科書購入などがあある。妻が突いていくはずだったがもちろん無理。私が一緒に行くことになった。その後、高校合格を祝って家族で焼き肉を食べに行こうという話になっていたが、これもキャンセル。食事の支度、そのための買い物、犬の散歩、洗濯、掃除、その他あらゆることが滞ることになる。私がやれることはやるが、丁度春休みで家に居る子ども達にも手伝ってもらう必要がある。日頃の躾が試される。
妻も少し興奮気味であったが、怪我の様子を聴いた。普段と違う場所に箱が置いてあり、それを避けようとして僅か数センチ程度の段差を踏んでよろけて転んだそうだ。変な手の突き方をしたようだが、手の方は怪我は無かった。酷い格好で転倒し、たいしたことが無いと思っていたら痛みは増すばかりで、工場長が病院に連れて行ったと言うことらしい。
家まで送ってくれた工場長がえらく恐縮していた。労災である。
その段差については、以前からそこに段差があることは知っていた。職場の中でも躓くと危ないから何とかした方が良いという意見が合ったそうだ。
ヒヤリハットの報告があったにもかかわらず、有効に活かすことが出来なかったわけだ。午前中の職場では、職場巡視ということをして、いろいろと意見を述べる。何もそこまでやらなくてもと思うようないろいろな意見に職場の人たちが逐一対応していく。それでも、非定常作業があると、思っても居なかったような危険な状況が生ずることがある。作業前に危険予知をして対策を立てなくてはならない。
妻はそのような話しを余り理解しておらず、少なくともアルバイトレベルまで産業衛生に対する意識が徹底していないようだ。大変残念なことである。
恐らく妻がまともに動けるようになるのに、二週間程度は掛かるだろう。他の家族が協力し合いながら乗り越えねばならない。長男の出産以来の出来事である。一番頼りになる長女が居ないのが痛い。息子と三女の入学式や、次女の演奏会など、いろいろな行事が続く。
母親が家族のために如何に困難な作業を毎日続けているかを実感する二週間としたい。