生活

面白いことは特にない、ただの日記です(投稿後に、二三日かけて書き直します)

モータースポーツという理不尽、或いは鈴木亜久里という不運

星野(一義)選手が日本一速い男といわれていた頃、星野選手は最もパワーのあるエンジンに最強のシャーシ、特上のタイヤが与えられ、沢山のスポンサーが付く。予選じゃトップ。レースはベストポジションからスタート。しかも天才の星野選手は日本一速いからもう負けるはずがない。
レースはゲームと違って、ハンデキャップのようなものが与えられないのが普通のことで、実績のある人、実力者ほどむしろ有利なポジションが与えられる。例えば、水泳だって陸上トラック競技だって、最有力候補は一番良いレーンが与えられる。スキージャンプは有力選手のスタートは最後の方だが、これは後ろほどシュプールが固められて助走スピードが出るから。気温も下がるし。アルペン競技では有力選手が第一シードで先に滑る。これはテレビ放送的には余り宜しくないけれど、後になるほどコースが荒れてコンディションが悪くなる。スキーノルディック複合はジャンプの順位を時間に置き換えて、後半の距離競技と合計時間で競うが、近年はタイム差を付けてジャンプ一位から順にスタートさせて先頭ゴールが優勝という形式で争われることが多い。観戦者には分かりやすいが、前半首位が先頭を切って滑るのは大変不利なことであり、競技本来のやり方ではない。
近年国内レースで人気のあるスーパーGTでは上位入賞により次戦よりウエイトハンデが科せられる。これは酷い。努力して優勝したら、ペナルティのバラストを積まなくてはならない。インチキレースだ。
ま、スーパーGTは別として、一般に競争というのは下位から勝ち上がるのには苦労を伴うのだ。
鈴木亜久里氏が苦労している。昨年あれほど活躍したにもかかわらず、今年のスポンサーの目処が立っていないようだ。つまり、フォーミュラワンへのエントリーは危機的な状況だ。純日本チームとして、大変貴重な存在であると思うが、誰も手を差し伸べようとしない。昨年は中国のナントカいう会社に騙された。鈴木亜久里は今窮地にいる。
思い起こすと、彼はいつも窮地にいた。
華やかな印象とは裏腹に、鈴木亜久里は日本のモータースポーツ界切っての苦労人だ。
だからこそ、ホンダも鈴木亜久里を選んだのだろう。
何とかなることを祈っているけれども、厳しいのだろうな。今、日本企業でフォーミュラワンに積極的に関わっていると云ったら、ホンダ、TOYOTA、ブリヂストン、NGK、ENEOSあと、パナソニック、その辺りか。厳しいな。景気悪いんだな。
何とかならないのかね。