生活

面白いことは特にない、ただの日記です(投稿後に、二三日かけて書き直します)

チアミンピロリン酸

ビタミンについて書いたら、野ざきさんが言及してくださった。ちょっと鴎外の話は私には分からない。但し、今で言うビタミン欠乏症は戦場や船上で単調な食事になりがちな兵士達の健康を維持する(つまりは戦闘状態を維持する)上で、軍事医学的に重要な案件で、軍医の果たした役割は大きいようだ。
相次いでビタミンが同定されていった時期も、ちょうど第一次大戦の前後だ。
今回、話題になったビタミンB1だが、幾つかの重要な糖代謝酵素の補酵素となっている。臨床的には欠乏症は脚気と呼ばれ、末梢神経炎と心不全を起こす。心不全が致死的だ。
ウイキペディアの記述を引用して、偽科学的な部分を指摘せよという話は、私はウイキペディアの脚気の項目そのものが科学的でない(少なくとも、生命科学ではない)と感じていたので、科学的でない記述の偽科学的な部分を指摘するのは困難だと思った。
私はウイキペディアの編集をしたことがない。
私が興味をもつ分野に、しばしば純粋に学問的な誠実さをもってボランティア活動をしているとは考えにくいページを見かける。知らないなら書かなければよいのにと思う。
脚気のページに関して、「概要」は脚気の概要ではなく、脚気に関する歴史の概要だ。『歴史』の項目は脚気の歴史ではなく、旧日本軍(あるいは日清・日露戦争)と脚気の関わりだ。
多くの人が、情報を得るための最初の手段にグーグル検索を用いる。「ググったら出てくるもの」がとりあえずの情報源である。私も先ずはキーボードに検索語を打ち込む。図書館に足を伸ばすことは減ったし、手を伸ばせば届く書棚の本を取る機会さえ少なくなった。そして、グーグル検索の最上位には多くの場合にウイキペディアがある。
専門分野の記述なら、これは役に立たないと判断できる。しかし、これからその分野を学ぼうと考えている人にとって、ウイキペディアの提供する情報はどうだろう。そして、知識の集積としてのインターネット検索は様々な誤った(しかし検索的に目立つ)情報に毒されていく。
修正を加えることが必要だと思う。学習環境はいまや危機的な状況だ。