生活

面白いことは特にない、ただの日記です(投稿後に、二三日かけて書き直します)

不審者情報

上手く説明できる自信が無い。夕方、暗くなってから自宅のインターホンが鳴った。妻が応対した。妻はセールスや宗教なら門前払いである。それにしても、遅い時間にインターホンを鳴らすから何か重要なことかもしれない。
妻はさっぱり要領を得ないようだ。普段はばっさりと追い返す妻が、玄関に出ようとしている。「工事がどうのこうの」と言っているという。
家の前の道路を掘り返すとか、そういう話かもしれない。
妻を制して私が玄関に出た。
若い作業着姿の男性が、慇懃に話しかけてきた。工事車両が迷惑を掛けるかもしれないという。一方的に話し続ける。
住宅リフォームを扱う会社の社員であると名乗り、名刺をくれた。この一帯に住宅の外壁リフォームのセールスを掛けることになったから、工事が始まったら工事車両が迷惑を掛けることになるかもしれない、という。
具体的な工事の日程や場所は決まっているのか、と尋ねると、これからセールスを掛けるからまだ決まっていないという。工事が始まったら迷惑を掛けるかもしれないから、事前に説明に来たらしい。我が家の前の道路は行き止まりの袋小路で、我が家の向かいは出来たばかりの老人ホーム、行き止まりの先は比較的新しいマンション。それから我が家と周りに数軒。外壁のリフォームとは縁がなさそうだ。
彼は、事前の説明が会社のコンプライアンスとやらで重要と考えて、わざわざ土曜日の夜に我が家のインターホンを鳴らしたようだ。
コンプライアンスを重視する会社であるという。まだ工事は全く決まっていないという。しかし、会社は我が家の周辺にリフォームのセールスを掛ける決意を固めたのだ。
彼が言うには、「コンプライアンスを重視する会社であるから、もしも過剰なセールス行為で迷惑に感じられたら、消費者相談窓口に電話してくれ」と、消費者相談窓口の電話番号が書いてあるパンフレットを差し出した。公的な消費生活センターではなく、彼の会社の相談窓口である。そこまで聴いて、もうばかばかしくなり、「いや、我が家はリフォームなど要らないし、セールスははっきりと断るから、その必要は無い。」と言って、しゃべり続ける彼を玄関先に置き去りにして玄関を閉めた。
何だろう。マッチポンプ。破壊工作で消費者相談窓口とやらに電話を掛けさせるのが目的なのだろうか。いや、近隣の地域に挑戦状をたたきつけたのかもしれない。迷惑なセールスと感じたら、警察に連絡するつもりだ。