ひとり暮らしを始めた頃に真っ先にBSのアンテナを取り付けた。丁度ソビエト連邦崩壊、ベルリンの壁が倒され、世界が大きく動いた時期で、NHK-BSが伝える世界の放送局のニュースに興奮したのを覚えている。
そのときにアメリカのプロスポーツのいくつかが放送されていた。MLBに興味を持ったのはもう少し先で、留学中にHideo Nomoがデビューした後。BSではNBAの試合を熱心に見ていた。当時はラリーバードのボストン、マジックジョンソンのロサンジェルス、バークリーのフィラデルフィア、そしてジョーダンとピッペンのシカゴの時代だった。
マイケルジョーダンは、良く試合中に舌を出す。プレーの真っ最中に、舌を出しながらレイアップシュート、ダンク。おそらく、リラックスの手段としてやっているのだろうと想像していた。
マウスピースを咥えながら、歯を食いしばるやり方もあれば、マイケルのように舌を出して余分な力を抜くやり方もある。
私はマイケルに習って、ときどき舌を出す。舌を出してリラックスして、胸を張って顎を引いて、姿勢を正す。視線をまっすぐに戻して我に返る手段として舌を出す。
端から見ると気味が悪いかもしれない。
