生活

面白いことは特にない、ただの日記です(投稿後に、二三日かけて書き直します)

腕時計

昨年夏に、愛用の時計をなくした。
結局出てこなかった。長年、自分の左手首で私を支えてくれていた。自分の一部を失ったような気分になった。
この時計は、ロサンジェルス留学中にロデオドライブの終わりにあるティファニーで、帰国前に、夫婦ペアで選んだ。
リチャードギアとジュリアロバーツが主演した映画と、もちろんオードリーヘプバーンの映画(こちらの舞台はニューヨークだが)にいくらか影響を受けている。
その時計は、シンプルで美しく、私の手首に良くフィットして、正確に時を刻んでいた。
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無くしてしまい、落胆していた。
新しく時計を買う必要があると感じた。
少しお金が使えることになったので、時計を買うことにした。気に入っていた時計と同じものは既にティファニーのリストからはずれていた。三ノ宮の店に出むき、店頭で見せてもらうとどれも大きい。最近の腕時計は、目立つように大きく作られているようだ。女性向けの方が、今までの時計と違和感の無い大きさになる。
結局、選んだのは四角い手巻きの時計である。
適当なサイズの上にデザインが良いと思った。

「手巻き」なので、毎日竜頭を廻してゼンマイを巻き上げる必要がある。決まった時間にやる方が良いとのこと。それをサボると翌日午後に止まってしまう。
なくした時計はクオーツの電池式で、数年に一度電池を交換するだけだった。
果たして、毎日竜頭を捲いていられるだろうか。
竜頭が小さく、初めのうちは捲くのに苦労した。店で相談すると、ゼンマイを捲くためのちょっとした道具を提供してくれた。そして、一月くらい預かることになるが、少し大きめの捲きやすい竜頭に交換してくれるとのこと。
竜頭の交換を申し出て、一日に1,2分程度送れるので調整して欲しいと頼んだら、一月あまり後に戻ってきた。慥かに竜頭は捲きやすくなったし、デザイン的にも違和感は無い。磁気を帯びていたとのことで、時計が遅れるのはそれが理由だったようだ。
今は、ゼンマイの巻き上げにも慣れたし、私の左手に馴染んできた。そして、とても正確である。たいへん気に入っている。
私が選んだときに、男性向きの四角い文字盤の時計はそれ一種類だけだった。今見ると、よく似た四角い文字盤のデザインで自動巻の時計がラインアップされていて値段も少し安い。私は自分の選んだ手巻きの腕時計をたいへん気に入っているが、今のラインアップから選んでいたら、別の時計になっていた可能性が高いと思う。