生活

面白いことは特にない、ただの日記です(投稿後に、二三日かけて書き直します)

犬さんと散歩に出る

梅雨が明けた。
蒸し暑い毎日である。私は暑さには強く、冷房に弱い。
冷房に当たると本当に気分が悪くなる。それでも、職場では真夏の日中はエアコンを使う。設定30度である。
ようやく、犬さんの予防接種が終わって、散歩の許可が出た。
それまでは、地面に下ろすことができず、私が抱っこして世間の雰囲気に慣れさせていた。
初めは小さかった犬さんも、だんだん大きく重くなり、また気温も高くなって抱っこして散歩するのはなかなか大変なことだった。
土曜日に獣医に連れて行って、8種混合ワクチンを接種した。体重は5.2kgある。もう散歩させても良い。但し、他の犬のおしっこを舐めないように気を付けること。
許可が出たので、早速ハーネスを買いに行った。リードは前の犬さんのものを使う。
驚いた。
13年前に犬さんを初めて散歩に連れ出した時のことをあまり覚えていない。ということは、さほど苦労せずに散歩させたのではないか。
犬くん(ややこしいので、今の犬を犬くんということにする)は、目が見えないというハンデを持っているはずだが、部屋の中では、まるでそのようなハンデがあることを意識させない。縦横に走り回り、ほとんど何かにぶつかったり、蹴躓いたりすることはない。
新しいハーネスを取り付けて、リードを繋ぎ、玄関を開けるが、、、、玄関から出ようとしない。
全く歩こうとしない。
仕方がないので、いつも通り抱っこして、遊歩道まで連れて行き、地べたにおろして歩くのかと思ったら、座り込んでびくともしなくなった。周りの匂いを嗅いでいる。雰囲気を掴もうとしているようだ。
この犬くんは目が見えないのだと、改めて気づく。
まず周りの雰囲気を掴もうとしている。怖くて一歩も歩けない。
妻に電話して、音の出る鈴のついたおもちゃを持ってきてもらった。それでも、立ち上がろうとさえしない。
リードを引っ張って、ハーネスで吊り上げるみたいにして少し動かすが無理である。
この犬くんと初めて公園で会った時も、彼は縮こまって、周りの様子を伺っていた。我が家にやってきた時も、同じようになかなか動こうとしなかった。
やはり、目が見えないのである。周りの状況を把握して、あとは嗅覚、聴覚、皮膚感覚で活動を始める。
散歩二日目。
ハーネスだとどうしても吊り上げるようになるので、首輪のリングにリードを付けて、犬くんの気持ちに合わせてこちらも歩くことにした。
遊歩道を散歩している人が、歩こうとしない犬くんを訝しそうに見ている。
とにかく、犬くんに任せる。犬くんは匂いを嗅いで、音を聞いて、通り過ぎる人々や自転車や他の犬を感じ取って、自分も立ちあがる。そして慎重に周りの雰囲気を気にしながら歩き出した。
クルクルとその場を回るように歩く。
こうして、少しずつだが、犬くんの世界が広がっていく。
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