生活

面白いことは特にない、ただの日記です(投稿後に、二三日かけて書き直します)

忘れかけていた

何かを書こうと思って、ネタを温めていたつもりが、何を書くつもりでいたのか覚えていない。大変残念である。
十数年前、私のポケットにはスマートフォンのようのようなものはなく、ブログのネタは、手帳に書き留めておくしかなかった。その時に、思いついたものをすぐにオンライン上に書き留められるツールがあれば、とても便利だろうと思っていたが、今はそれがスマートフォンと、携帯電話の回線でごく当たり前のことになっている。私の生産性はそれで向上したかどうか、全く心許ない。
ティム・バーナーズ・リーの(いろいろな父母がいるが、彼は間違いなくインターネットを生み出した父である)著書、「Webの創生」の中で、彼がインターネットができる前にすでにクラウドに作品を置いて、あらゆる人がアクセスしながら作品を作り上げていく構想を持っていたことが読み取れる一節がある。この著作を読んだ当時、バーナーズ・リーの先見性に感銘を受けながらも、そのようなことがもし実現したら、著作権等グチャグチャになるのではないかと危惧した。当時は、ネットへのアップロードが今よりはるかにハードルが高く、閉じたインターネットだったのだ。そののちに、スティーブ・ジョブズが電話を再設計して、バーナーズリーの抱いたワールドワイドウエブが実現することになった。今を生きる私は、それを享受している。これは素敵だと思った景色を撮影し、それを数秒以内に世界に向けて発信できる。このような文章も、筆箱や鉛筆削りや便箋や印刷機や封筒や切手に頼ることなく、読む人に送り届けることができる。
それだけに、この興味深い現象を是非文章にしたいと思った何かを、忘れてしまったことに気づいた時は、大変残念に思う。


少し寝坊して、ごく簡単な朝食を済ませてから、犬くんにも朝食を用意し、それから散歩に出た。いつもの遊歩道は人通りが多く、途中で犬くんが歩かなくなるので、方向を変えて住宅地の中を歩くことにした。いろいろな音が気になる犬くんである。ゴミ出しの音、窓が開く音、自転車のサビだらけのチェーンが軋む音、ハイヒールで速足に歩く音。カラスの鳴き声。
耳に入ってくるたびに、犬くんは立ち止まり、耳を動かして状況を把握しようとする。犬くんの様子を見ていて、耳の動きと同時に、鼻を動かしていることに気づいた。立ち止まって、一生懸命匂いを嗅いでいる。
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耳と鼻

先を急ぐあまり、何気なくリードを引っ張っているが、それだけで盲目の犬くんにとってかなりのストレスになっているのだろう。
もう少し静かで人通りの少ない道を選んで、ゆっくりと歩いてあげる必要がある。そのためには、毎朝私が寝坊しないこと。
書いているうちに、忘れた何か思い出すと思ったが、何も出てこない。多分、大したことではないのだろう。そのうちにまた思い出すまで、しばらく先のお楽しみにする。