生活

面白いことは特にない、ただの日記です(投稿後に、二三日かけて書き直します)

強盗殺人と理科教育

家に賊が押し入り、留守番していた婦人を縛り上げて家の中を物色。ここまではただの強盗。ご婦人が怪我をすれば傷害が付く。
引き出しを開けて、金目のものを探っていると、赤ん坊が泣き出した。賊は赤ん坊のあやし方など知らない。母親に抱かせるという基本的な知識さえ持ち合わせていないか、若しくは考えが及ばないか。母親は縛られているから、思い及んだとしても実現しなかったかも知れない。
さて、泣いている赤ん坊は云うことを聞かない。黙らせるには口を塞ぐことか。賊は粘着テープで口と鼻を塞いだ。赤ん坊は窒息する。大人しくなる。物色が終わり、賊は立ち去る。
空き巣と違い、強盗である。成功の鍵は、発見・通報を遅らせることだ。それから、通報された時に自分自身を特定する情報を制限する。顔を隠すとか、声を出さないとか。
賊が婦人を縛ったのは通報を遅らせるためだろう。それには成功した。赤ん坊の殺害は故意ではなかったに違いない。赤ん坊を沈黙させる方法として、彼は口を塞ぐことを選び、誤って鼻も一緒に塞いでしまった。殺害が発見通報を遅らせ犯人特定に結びつく情報を隠滅することが目的なら、賊は婦人も殺害したに違いない。つまり、赤ん坊を殺害は故意でなく、傷害致死と云うことになるかもしれない。そういう説明が通用するかどうか分からない。
賊が僅かな金額を強盗によって手に入れるに至った事情は知らない。しかし、賊の行為は赤ん坊を死に至らしめ、強盗殺人事件の容疑者となった。
強盗は極めて割に合わない犯罪だ。そして、窒息は生命を死に至らしめる。そういったごく当たり前のようなことを、理解していない人が居るのだ。