生活

面白いことは特にない、ただの日記です(投稿後に、二三日かけて書き直します)

「人質事件の特異さが際だつ」と云う社説の特異さが際だつ

ジャーナリストが二人、殺害された。自衛官でなくて良かった、と云うことなのだろう。
自衛隊が派遣され、民間人の渡航自粛が要請されている理由は何か。きわめて危険な状況。戦闘に巻き込まれる危険性がある。いざとなったら、応戦しなくてはならない。自衛官ならば、兵士なので、戦いに慣れている。戦闘で死者が出ても、兵士なら、それが仕事の一部(なのかどうか知らない)。覚悟は出来ている。国民の多くは納得してくれる。
どうやら、Y新聞の社説は逆のことを考えているらしい。民間人のジャーナリストが戦場で命を落とすのは珍しいことではない。
だが、特別な事件というわけではない。
と、言い切っている。
今まで、戦場で命を落とした日本人ジャーナリストが数多くいると云うが、今回の特異性は、その戦場(では無いらしいのだが)に、自衛隊がいると云うことである。そのようなことはかつて無かった。
なぜか、そこから、先の人質事件の批判が始まる。
家族が自衛隊のイラクからの撤退を掲げ、政府に政策変更を要求したことが、無用な混乱を招いたのである。
というが、撤退を迫ったのは、家族ではなく、誘拐犯人側であると思う。
まるで、脈絡のない、意味不明の論議と思ったが、Y新聞の意図は分かるつもりだ。
邦人犠牲者が出て、自衛隊派遣に対する批判が高まっては困る、と云うことだ。
だから、今回のジャーナリストの死も、
痛ましい出来事だ。イラクの治安が依然、不安定ということを物語る。
などと、暢気なことを言っている。そして
戦場は、常に危険と隣り合わせだ。ジャーナリストは、時には、あえて危険を冒してでも、戦場や災害現場に赴く。それは職業的情熱であるとも言えよう。
と云う表現で、死んだジャーナリストが自分の勝手で死んだのだ、と云う結論付けである。そして、自衛隊派遣に対する批判は、先の人質事件の家族や、高遠氏が受けた、あらゆる人格を否定するような著しい人権侵害を伴う強烈なバッシングを受けるであろうことを忘れるな、と、警告を発している。
意味不明の社説は、分かる人にだけ分かる警告なのだろう。

磁石と重石の発見:読売新聞の論理矛盾(というか「馬脚」)
http://d.hatena.ne.jp/dokusha/20040531#p4
に刺激された。