生活

面白いことは特にない、ただの日記です(投稿後に、二三日かけて書き直します)

自制がもたらす平和

私たちが歴史的経験から学んだことの一つは、一度被害者の立場に立つと、「正しい主張」を自制することはたいへんにむずかしいということである。
争いがとりあえず決着するために必要なのは、万人が認める正否の裁定が下ることではない(残念ながら、そのようなものは下らない)。そうではなくて、当事者の少なくとも一方が(できれば双方が)、自分の権利請求には多少無理があるかもしれないという「節度の感覚」を持つことである。エンドレスの争いを止めたいと思うなら「とりつく島」は権利請求者の心に兆す、このわずかな自制の念しかない。

http://blog.tatsuru.com/2008/05/13_1156.php

内田先生のご意見を引用させていただいた。正論と感じたが、それだけに僅かな自省の念を持つことの難しさを思う。人々は被害意識を持ったときに少しでも取り返そうと思うようだ。
ビートルズ末期に白いものを売る店の話が「回想するジョンレノン」の中に出てきた。ジョンは店をたたむときに、商品を全てを無料で配ることにした。
大損だが、ジョンは良い気持ちだったと書いていたはずだ。
自分たちは損をするが、その引き替えに良い気分を手に入れる。そういう解決方法があるということを私はそのことから学んで、知っている。