生活

面白いことは特にない、ただの日記です(投稿後に、二三日かけて書き直します)

何か危ないなぁ

私が子どもの頃から、ちょっとしゃれた建物には回転扉があった。子どもにとって、珍しいし、面白いものなので、はしゃいだ子どもが入って、(当時のものは電動式ではなかったので)押して遊ぶと云うようなことがあった。私の父は工学部で学び、工場の安全管理のような仕事をしていたこともあり、私に、回転扉は危ないと指摘し、私もそういう印象を持っていた。
回転扉は、要するに、建物の内と外を区分し、中に入りたい人、外に出たい人を通すためのものである。普通の対面式の扉に比べた回転扉の利点は何だろう?
ひとつの機構で、入る人の流れと、出る人の流れを分離できる。しかし、外部、内部の入り口では、入る向きと出る向きが対面する。
米国の遊園地などでよく見かける回転式のゲートは、一方の向きだけを許す仕組みである。出口に設置し、再入場出来ないようにしている。
回転扉を通る人は、その機構に自分の行動を合わせることを強いられる。立ち止まるわけにいかないし、転ぶと危ないだろう。
回転式扉は、デザイン的な珍しさ以上の意味があるのかどうか。
デザインのためであるとすれば、安全性確保よりデザインが重視されたこともうなずける。
私は子どもの頃から運動神経が余り発達していなかった。エスカレーターも、降りる方は良いが、乗る方は恐ろしかった。電車の車両をうつるときも、ジョイントのあたりを通るのが怖かった。
回転式の扉も、なんだか恐ろしかった。回転式に限らず、扉というものは危険なものなのだ。我が家のマンションの駐車場入り口の扉も、鍵を持って開けようとしているときに、内側から誰かがいきなり開けたら怪我をするだろう。私はいつも身構えている。
多分、誰もが、ちょっと危ないな、と思っていたはずだ。事故が起こらないのが不思議だと。
やっぱり危ないものだったのだ。製造者側は、事故が起こらない前提で設計していたようだ。事故を起こさないような仕組み(赤外線によるセンサー)が、彼らにとっての安全策で、挟まれても怪我をしないようなソフトな素材を使うとか、十分な隙間を設けるとか、そういった事故が起きたときの安全策は取られておらず、巨大な、一種見栄の象徴の構造物は、その慣性を止めるのに25センチ必要で、それは少年の頭蓋を砕くのに十分なスパンであったというわけだ。