生活

面白いことは特にない、ただの日記です(投稿後に、二三日かけて書き直します)

バイクの値段

モーターサイクルメーカーの1つ、スズキ自動車の社長が決算でモーターサイクル部門が赤字となったことを受けて反省の弁を語った。つまり、社長が考えるところで、色々な装備を過剰に付けて単価が上がりすぎたことが問題で、中年が(要するにバイクブームで中型免許を取得した世代)乗りたくなるような経済的な価格のバイクを作る必要があるというのだ。

先日、中型二輪免許から大型二輪免許にアップデートした私は、普段から通勤にバイクを使っている。それまでの250ccのロードバイク(ホンダ製)から大型に乗り換えようと思い、製品ラインアップを見たが、およそ、私の手の出るような値段で魅力的なバイクは見あたらなかった。これはある意味構造的なもので、バイクを取り巻く環境は実に厳しさを増している。排気ガスに騒音の規制、駐輪場が無いこと、乗用車と同じ高速道路料金が必要な上に、ETC装備であらたな出費を強いられること。さまざまな規制のためにオートバイの経済性や機動性が失われている。雨風や寒さ暑さを我慢する覚悟のあるライダーにとってこの上ない環境性能を発揮するはずのバイクが、法律によりがんじがらめにされている現実のまえに、当然のようにバイクの売り上げは下がり、市販バイク一台あたりのコストが上がる。選択の余地が無くなりますますバイク離れが進む。10年後に日本製のバイクはもう新車で手に入らない時代になるかも知れないと、私は危惧した。結局、私が購入したのは21年前に製造されたホンダ製の650CCの二気筒エンジンを積んだ中古のバイクである。(「新しい」バイクの方が「古い」という紛らわしい状況になっている。)当時の定価で約59万円という値段がついていた。少し排気量を大きくして全く同じスタイルで再デビューさせても良いと思う。一体、どれくらいの値段になるのだろう。今、似た性格のバイクを探すと、もはや日本製では見つからず、BMWで800CCのバイクがあるが、100万円を少し越えるくらいである。
バイクの値段がどれくらい上がったか検証してみる。
VTRというバイクがある。先日まで,私が通勤に使っていたものである。25年以上にわたり作り続けられており、ほとんど同じスタイルの新車が今でも手に入る。

VT250F(82年)
399000円、36ps、国内年間販売計画36000台
VT250Z(84年)
429000円、40ps。年間販売46000台(VTシリーズとして)
VT250Z(88年)
399000円、40ps。年間販売計画7000台
VT250spada(88年)
498000円、40ps、アルミニウムフレーム、年間販売計画15000台
XELVIS(91年)
489000円、36ps、カウルつき、年間販売8000台
VTR(97年)
429000円、32ps、フルチェンジ。年間販売6000台
VTR(02年)
449000円、32ps、マイナーチェンジ、年間販売1500台
VTR(07年)
483000円、32ps、マイナーチェンジ、年間販売1500台
VTR(09年)
556500円、30ps、フルチェンジ、キャタライザー、インジェクション、年間販売3000台

あの頃は販売計画が今と一桁違っている。