生活

面白いことは特にない、ただの日記です(投稿後に、二三日かけて書き直します)

大きな舟の中

山育ちなので、海を見るとわくわくする。
通勤で、神戸港を毎朝渡る。橋の上から港の景色を眺めている。
時々、ポートターミナルに客船が接岸している。ダイアモンドプリンセスも何度か見かけた。
今回の報道がなされた時も、少し親近感を感じていた。変な言い方だが。
巨大な船体である。
ポートターミナルから見上げる豪華クルーズ船には、大きなプロジェクターのスクリーンや、プール、各部屋のテラスが見渡せた。
接岸しているときはターミナルの駐車場に大型バスが何台も並ぶので、おそらく、乗客が市内観光をしているのだろう。
また、家族とフェリーの旅行は何度も経験しているので、船旅の雰囲気は想像できる。
船の中で数千人規模、しかも未知の感染症の検疫がかなり困難なものになることは、容易に想像できた。
あとで色々なことをいうのは簡単だが、大黒埠頭を閉鎖してプレハブの小屋を並べて全員下船させればよかったように思う。
ともあれ、検疫で乗船期間が長引いて、足りなくなった500名分の薬を持ち込む話を聞いて、大変な事になったと思った。
高齢の乗客が多いと聞いていた。
どんな薬が必要だろう。血圧、不整脈、狭心症、糖尿病、血栓症、てんかん、鬱などの精神病、内分泌、アレルギーなどなど、、、数日飲まなくてもなんとかなりそうなものもあれば、命に関わるものもある。
カルテなしで、患者さんの記憶と手元の薬を元に処方を決めて調剤する。お薬手帳があれば良いが、患者の中には自分の飲んでいる薬の名前がわからない人も多い。ジェネリック薬や国内では承認されていない薬もあるだろう。それが500人分、間違いなく渡すには、熟練した薬剤師が何人くらい必要なのだろうか。
処方は医者の仕事で、調剤は薬剤師の仕事である。感染の危険が付き纏い、言葉が通じない。
乗客たちが、なんとか下船しているという事は、最悪の事態は避けられたという事なのだろう。どうやって解決したのか分からない。運が良かったのか、超人が活躍したのか。