生活

面白いことは特にない、ただの日記です(投稿後に、二三日かけて書き直します)

4歳になった犬

犬が4歳になった。
彼が我が家に来たのが4年前。13年ともに過ごしたコロ犬との別れを経験して、とても落胆している時だった。世の中はパンデミックの不安が渦巻いていた。
家族の一員の犬を失った喪失感に苛まれていた時に、かかりつけの獣医から保護犬の話を聞いた。近所に住む保護活動に関わっている人を紹介された。柴犬の子犬が保護されていて、引受先を探しているとのこと。私たちは盲目の仔犬と面会することになった。13年ともに過ごしたコロ犬も、歳を取ってからは視力を失っていた。
盲目の犬に会いに公園に行って、出会った犬を引き取ることにした。とんとん拍子に話が進んで、未来は我が家にやってきた。
未来という名前は、保護活動中に仮につけられた名前だが、それ以上の名前が思いつかず、我が家でも「未来」と呼ぶことにした。
未来がうちに来たとき、生後3ヶ月だった。
生まれつき目が見えない犬と生活するのは、様々な困難の連続である。彼にとって嗅覚と聴覚が主要な情報源である。
最も困難な点は、彼が大変臆病なことだ。
臆病ゆえに、不安に感じると周りを威嚇して激しく吠えたり、いきなり噛みついたりする。
アイコンタクトができないのも彼には不利な点である。躾がとても難しい。
普段生活していて感じるのは、段差に弱いこと。そして動くものが苦手である。
散歩も、同じ道を何度も通って、慣れさせることが必要である。
自動車やバイクの音を大変怖がる。私は彼に状況を説明しながら散歩している。
彼はすれ違う犬たちを無視する。しょっちゅう吠えられるが、これも全く知らんぷりである。(社会性に乏しい)近づいてくる犬には、威嚇し、すぐに手を出そうとする。(ので、私はリードを強く引き続ける)
彼は色々と匂いを気にするが、マーキングしない。放尿は地面にする。何かに掛けることはしない。
こうして、ある程度慣れた道を散歩しているので、ただ歩いている時は、目が見えないことに気がつく人はいないかも知れない。
4歳を過ぎて、ようやく部屋の中で放尿しなくなってきた。我慢出来ない訳ではなく、私たちに対するデモンストレーションとしてやっているようだ。処理をしなければならないし匂いや衛生上の問題もあるので、この進歩は家族にとって大変嬉しい。自発的に階段を1階に降りることができるようになった。彼の行動範囲が広がったということだが、一方で、階段を上る方はまだ少し手助けが必要で自発的には無理であるので、行動範囲が広がったと言うより、2階から1階に移動しただけかも知れない。
食事はなかなか一人で皿から食べることができない。子犬の時は皿から自分で食べていた。突然自分では食べなくなって(介助が必要になって)一頃、自分で食べられるようになったと喜んだ時があったが、今は手を掛けて食べさせている。
癇癪を起こして激しく吠えたり、噛み付いてきて怪我をさせられる心配は常である。実態として、3ヶ月に一度くらいの頻度で、バンドエイドの世話になり、傷跡が増えている。私と妻にはあまり吠えず、子供たち、特に長く家を空けていた長女はしょっちゅう吠えられている。
柴犬としての特性と、視覚障害のハンデキャップは、愛玩犬としては不利な要件だが、その分付き合い甲斐がある良い仲間になっている。