生活

面白いことは特にない、ただの日記です(投稿後に、二三日かけて書き直します)

柴犬に噛まれる

同じタイトルで、以前に書いているかもしれない。
柴犬と生活するようになって、15年くらい過ぎているはずだ。
柴犬とは何なのか。
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最初に家に柴犬を迎え入れることにした時、私には、柴犬がどの様な生き物か何の知識もなかった。そもそも、犬を飼った経験さえ無かった。
家族にいろいろな困難があって、セラピー犬としての役割を期待していたはずだ。
大変運よく、我が家に来た柴犬コロ号はとても温和で柔和で、セラピー犬の役割を完璧にこなしてくれた。私自身、コロとの生活を満喫した。柴犬のいない生活が想像できないほどになっていた。
コロが死んで、一月あまり、縁があって、保護犬の里親になった。
未来という名の子犬が我が家にやってきた。保護犬には血統書が無いが、柴犬である。保護活動家のYさんから簡単な説明を聞いた。両親は小柄なので豆柴になるかもしれないといっていた。
我が家に未来が来た仕組みについて、触れておく。保護活動をしているYさんは、いろいろな場所から「不用になった」犬を救い出す。必要に応じ、医学的な手配をして、ボランティアの「預かり」の方にしばらく世話を依頼する。その間に、なんらかの形で(フェイスブックなど)で、その犬の紹介をして引き受け手を探す。希望者が現れたら対面させて中を取り持つ。
保護活動は、篤志で行なっている。犬の譲渡は無料(予防接種や検診なのどの医療費は実費)である。
大変尊い活動と思う。
愛犬を失って、落胆している我が家に、目の見えないために保護犬となった子犬の話が舞い込み、面会に出かけて引き受けることにした。
盲目の未来は、大変アグレッシブな犬に育った。
よく吠える。噛み付いてくる。飼い主のさまざまな都合に斟酌せず、気に入らなければ吠えて、唸って、噛み付く。
私自身、ずいぶんあちこち噛みつかれた。甘噛みではない。本気で噛み付いてくる。
そのような犬の相手をするのは、恐怖心を伴う。手を出すのを躊躇する。それでも、犬を飼っている以上、散歩に連れ出したり、餌を与えたりの毎日である。
場合によっては、噛み癖のある犬となり、飼育していくことが困難と感じられることもあるだろう。
朝夕2度、散歩に出るためのハーネスをつけるのに一苦労である。もたもたしていると、噛みつかれる。
食事も独特である。我が家に来てすぐの子供の頃は、大喜びで食べていたが、ある時から一切皿にもりつけた餌を食べなくなった。で、どうするかというと、床にばら撒くのである。それを不機嫌そうに拾って食べている。
食事と散歩。犬を飼う上で避けて通れないイベントである。
食事の方は、ひょんなことから解決した。抱き上げて、膝に乗せて背後から抱き抱える形で手の上から食べさせると、大変スムーズに食べることに気づいた。理屈はわからないが、安心できるのだろう。毎日朝晩2回、誰かが犬を膝に乗せて、手移しでドッグフードを食べさせている。
ハーネス(胴輪)をつける方である。視力が弱い(全く見えないわけではなく、ぼんやりと見えているように思う)ために、転落や他の犬との喧嘩、また吠えたり噛み付いたりするので、歩行者とのトラブルが危惧される。首輪にリードをつけるのは危険と思い、胴輪を使っている。今まで使っていたものは背中側から首とお腹に紐を回すタイプである。丁寧に、マジックテープの輪を作ってさらにベルトを回してバックルで留める。ベルトが犬の腹に当たらないように、マジックテープの帯が余分についている。二度お腹の周りに手を回さなくてはならない。首回りも同じ構造だが、初めから輪を作っておき首を通せば良いようにしてある。
まず、犬に声をかけ、首の輪を通して胴の輪を背後から手を回してベロクロを止めて、それからバックルを留める。止めようとしている間に犬は不機嫌になり、噛み付いてくる。とにかく、機嫌が悪い。危うく噛まれそうになったり、噛まれたりして、散歩に出かけるたびに大騒ぎになる。
噛み付く犬をどう手懐けたら良いか。検索してみた。
まず、ハーネスの付け方。訓練士の方が、このようなやり方はダメ、というそのもののやり方をやっていた。「餌で釣りなさい」というのは、動物に言うことを聞かせる基本のようだ。
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(ハーネスを新調して大変やりやすくなった)
そして、凶暴な柴犬をトレーニングする動画も見つけた。その「凶暴な柴犬」より、うちの未来の方が凄そうに見えた。我が家の毎日の苦労は、結構すごいことなのだとわかった。訓練士が苦労してその柴犬を躾ける。
我が家の未来は加えて視力が弱い。つまり、アイコンタクトができないと言うハンデキャップを負っている。
目の見えない、あたりかまわず吠えて噛み付いてくる、凶暴な保護された柴犬と生活することは大変な苦労なのだと言うことに気がつかされた。
しかしながら、
未来と生活することは楽しい。毎日の散歩が楽しみである。
少しずつ、飼い主がスキルを身につけていることを実感する。
大変奇妙な生活である。