生活

面白いことは特にない、ただの日記です(投稿後に、二三日かけて書き直します)

吠える犬

柴犬と生活をしている。
13年前から飼っていた雄の柴犬が、夏を待たずに死んでしまった。名前はコロ。
犬と同居する生活に慣れていて、気持ちが落ち着いたらまた犬を飼いたいと思っていた。
コロの主治医に、保護犬を引き受けたいと考えていることを伝え、保護活動をしているY氏を紹介された。
気長に探すつもりでいたが、その時にY氏が引き取り手を探している保護犬の中に、たまたま生後間もない柴犬がいた。
紹介動画も見て、気になり連絡を取ることにした。
新型コロナウイルスの流行でリスクを感じたが、家族で車に乗って東大阪の公園に出かけて、Y氏と小さな赤柴の子犬と面会した。生後4ヶ月足らずで赤柴の雄で、Y氏が仮に付けた名前はミライという。保護犬になった経緯を伺うと、視力が弱くほとんど目が見えていないために商品にならず、ブリーダーから引き取ったとのこと。
愛玩動物の保護活動については、またどこか別に書こうと思うが、Y氏は想像を絶する愛犬家、保護活動家である。その情熱で多くの動物を救っている。
面会の帰りの車内で、家族で話し合ったが、もうすでに保護犬を引き取ることでほぼ同意ができていた。
すぐにでも迎え入れたい旨を連絡し、数日後、Y氏が我が家にミライを連れてきた。
ミライは初めのうち、我が家の雰囲気に驚いてじっとしていたが、私がジョギングに出かけて2時間後に帰宅した頃には、もう我が物顔で家の中を歩き回っていた。
そのようにして、ミライは我が家にやってきた。
いろいろな部分で、コロとの比較になることはやむを得ない。
ミライは生後8ヶ月余りで10.5kgほどまで成長した。Y氏は、親が小さいので豆柴になるのではないかと言っていたように思うが、標準的な大きさになった。コロは12kg程度でやや大柄な柴犬だった。目が見えないことのハンデと感じることはいくつかあるが、犬は嗅覚、聴覚が大変発達しており、視覚が情報に占める比率はそれほど大きくはないようだ。雰囲気になれると、目が見えないことをあまり意識させないような行動をする。散歩も普通にできるので、すれ違う人はミライの視力がほとんどないということに気づかないと思う。
但し、いろいろな音には大変敏感で、耳をクルクルと動かしながら、周囲の音に聞き耳を立てている。普段聴き慣れないような音があると、とても怖がる。遊歩道でも、調子の悪い自転車や、キャリーバッグを引きずる音などは怖がって固まる。横断歩道で自動車が横切ると足がすくんでいる。
階段の登り下りも少し苦労している。
落ちているものを色々口に入れるのも、おそらく視力が弱いせいと思う。おかげで、家族は部屋の床にものを放置しなくなった。
獣医が言うには、柴犬にも色々と個性があり、多くの柴犬は気難しく、人を選ぶ。そう言う意味では、コロはとても珍しい穏和な性格だったようだ。13年間生活していて、噛まれる心配はしなかった(実際に噛まれた記憶がない)。尻尾を踏まれた時くらいしか吠えることは無かった。誰に対しても穏やかな犬だった。
ミライは、よく吠える。うとうとしていて、突然起き上がって吠える。特に眠そうな時は用心しないと、うかつに手を出すと噛みつかれる。家の階段の上り下りが上手くできないので、彼は普段は2階の居間で生活しているが、玄関が開く音がすると、遠吠えを始める。
トイレトレーニングがなかなか進まないのも、視力が弱いことと関係あると思う。目を合わせることが出来ないので、しつけが難しい。ミライはどこがトイレなのか自分の目で確かめることはできないようだ。
そんな風に、ミライとの生活が始まった。
犬にも色々と個性があって、コロの従順さも、ミライの活発さもどちらも個性ということがわかった。
犬との生活を満喫している。
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