生活

面白いことは特にない、ただの日記です(投稿後に、二三日かけて書き直します)

臆病な犬

妻とプロ野球の試合を見に行く約束をした。
年に一度か二度、地元チームの試合を球場に出かけて観戦する。感染症流行の影響で、2年ほど自重していた。今回は、神戸運動公園のナイトゲームの指定席を予約した。
妻と17時に三宮駅で落ちあうことにした。彼女は、パートの仕事を終えて犬を散歩させてから家を出るので忙しい。私はいつもより少し早めに仕事を切り上げるつもりでいた。
SNSで、野球観戦をキャンセルするという連絡が入った。
散歩中に犬に噛まれたとのこと。
妻は犬の扱いには慣れており、犬も妻を最も信頼している。何が起きたのかよく分からないが、かなりの重傷を負ったことが読み取れたので、病院に行くことを指示して、私もすぐに帰宅することにした。
息子がバイトに出る前に、妻を近所の救急病院の外来に連れて行くというので、最寄駅から直接病院に向かって落ちあうことにした。
私が病院に着いた時に、ちょうど妻と息子が駐車場から出てきた。
息子はそのままバイト先へ向かい、私が妻と二人で夜診を受診し、傷の処置をしてもらった。両手、顔に傷がある。特に左手の甲は何箇所も深い傷になっている。当分通院することになり、抗生物質を処方された。
待っている間に話を聞いて、事情を理解しようと努めた。
妻は、散歩中の犬に水を飲ませようとして、途中にある公園の水飲み場寄るためににリードを引いた時に、犬がハーネスから抜けたとのこと。
視力の弱い犬で、大変臆病である。意図せぬ出来事が起きると吠えて噛みつこうとする。
逃げて走ったり、周りの人に危害を加えることを恐れて、妻は犬を押さえつけて、ハーネスを付け直そうとして噛まれたということである。普段でも、ハーネスを付けるときは、エサを与えて機嫌をとりながらやっている。それが、緊急事態で妻も慌てているし、犬も状況を理解できずにパニックになっている。何度も噛まれたが、必死になって押さえつけてなんとかハーネスを付け直したということのようだ。
妻は痛みに顔を顰めている。
当分、家事のいくつかは家族で肩代わりしなければならないだろう。
ところで、犬は以前にも一度、ハーネスから抜けたことがある。
ハーネスは、JK-9という、犬を飼っている人たちの間では割と有名なもの。
犬は体重が11.5kgほどの柴犬で、視力が弱い。

アイコンタクトで躾けられないので、扱いが難しい。周りの音や雰囲気に驚いて、吠えたり噛み付いたりする。
ハーネスをつけたり外したりするのは、落ち着きのない犬の飼い主にとって結構な負担である。JK-9の首の部分はベロクロであらかじめ調節してあって被せるだけ。胴回りにベルトを回して左脇の下あたりでバックルを留める。もたもたして、犬に不安感を与えると、バックルを止める時にガブリと噛まれる。
以前にハーネスから抜けた時は、散歩に出ようとして私がマスクを着けるのを忘れているのに気づき、玄関前の柱にリードを括り付けて家の中にマスクを取りに戻った30秒程度の間に犬がハーネスから抜けて、リードとハーネスだけが玄関先に転がっているという事態になった。慌てて探しに行って、200mほど先で取り押さえて、抱き抱えて家に戻った。
今回は無理に引き寄せようと焦ったら、犬が前足で踏ん張って、首を下げたらスッポリと抜けたということのようだ。
改めて、JK-9の使用方法について調べてみると、pdfのマニュアルを見つけた。
一番最初に、大きく「注意!愛犬を繋いだまま放置しないでください。」とある。当たり前だが、絶対にやってはいけないことなのだと、改めて肝に銘じた。
サイズを測って正しく調節するように書いてある。
「ハーネスから後に抜けてしまう場合にはどうしたら良いか」に対する答えは、「リードを無理に引くな」ということ。
万能のハーネスなど無い訳で、使う飼い主が正しい使い方を理解している必要があるということである。