私がこの記事を見たときに、少々違和感を感じた。それで、いくらか調べた。その後、いろいろとやり取りがあって、結局、私が最初に感じた違和感は、何も解決されないまま取り残されている。
内容があまりに医学的に誤っていて、私には殺人を啓蒙しているのと同じように見えます。冒頭で、ド素人なので参考程度に、と書いてはありますが、読めば予防接種を受けない気持ちになること必至で、その内容は誤った情報を元にしています。
一つだけ具体的に指摘します。水疱瘡は健康な子供であれば大丈夫、残念なことに亡くなるのは白血病や心臓疾患を伴うなど免疫力の弱い子供が感染してしまったときです。そのようなことがあらかじめわかっている場合には、先に書いたように予防接種が有効かもしれません。
免疫力の弱い子供が危険なので予防接種を受けたらいい、という主張のようですが、免疫力が弱すぎて予防接種を受けられない子供たちのことを指しているのです。彼らのためには、「流行させない」という対策しかなく、そのために健康な子供がワクチンを受ける必要があるのです。免疫力が弱い子供は、ワクチンを打っただけで死んでしまいます。それゆえ、周りの子供が勝手にワクチンを受けずにいて、その子から死をうつされるということについて私は「殺人的」だと思うのです。
という部分。その前に何らかのやり取りがあったのだろう。
某所で予防の捉え方について疑問を持たれたようなのだが、それは非常に不本意なので、かつても紹介したページに対して送った「苦情」のメールを紹介する。
という書き出しで始まっている。
指しているのです
という所が何のことか分からない。
水ぼうそうの予防接種に関して、私が見た限りは、彼が引用しているかつても紹介したページ
の記述が間違っているとは思わない。医学生は、彼らのためには、「流行させない」という対策しかなく
と断言しているようだが、そうなのだろうか?そのために健康な子供がワクチンを受ける必要がある
という主張の根拠を聞かせて欲しい。現在、水痘ワクチンは任意接種で、およそ30%程度の接種率であることから、集団予防にはほど遠い状況である。莫大なコストを掛けて、水痘ワクチン接種率を、免疫不全の患児のために集団予防が可能なレベルまで高めるメリットがあるというコンセンサスは得られているのか?
免疫力が弱いと分かっている患者は、予防接種が受けられない場合が多いのはその通りだが、水痘ワクチンに関しては別のようである。
医学生の記事を引用した小児科医が、この点について何も指摘しなかったのも不思議に思った。
(ただしそれでも感染する場合が多数あり疑問)
多数とか曖昧な言葉で不安を煽るのではなく、感染率を比べるべきです。あまりに現場の医師の努力を踏みにじっています。
医学論文でも、かなりの数
とか、相当数
とか云う表現が平気で出てくることは、一昨日に紹介した通りである。
http://d.hatena.ne.jp/namnchichi/20050205#p6
私は解決できずにいる。どなたかご存じの方がいたら、(メールでも、コメント欄でもいいので)教えて欲しい。